学部長挨拶

東京都立大学 法学部長
東京都立大学大学院 法学政治学研究科長
伊藤 正次
Ito Masatsugu
東京都立大学法学部のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
本学法学部は、長年にわたる研究教育活動の成果を踏まえ、次世代に求められる法律学・政治学の専門教育を行っています。
我が国は、人口減少・超高齢化が進む中、新型コロナウイルス感染症への対応や今後発生し得る大規模災害への対策、脱炭素社会への転換、デジタル化の推進等、さまざまな課題に直面しています。これらの困難な課題に対応するには、日本社会とそれを取り巻く国際環境の現況や来歴を理解し、各種課題の発生要因やその解決方策を冷静に分析する手法を身に着け、未来を展望する視座を体得する必要があります。
そのため、私たちは「一人一人の能力を引き出す専門教育」を心がけ、法律学・政治学の理論と方法を用いて現代社会の諸課題に積極的に取り組む人材の育成を行っています。法学部において1年次から始まる専門教育では、法律学や政治学の基礎知識や体系的な諸理論が説かれる講義科目と、学生の主体性と創意工夫が発揮される多くの専門ゼミとが、車の両輪の働きをなしています。そして、それを支えているのがさまざまな学界で法律学・政治学研究をリードする優秀な先生方です。
こうして法学部の学生は、各専門領域で発揮される高度な研究能力や知識とともに、広い視野と柔軟な発想に支えられた総合的思考力を身につけることが期待されます。
法学部の卒業生は、企業や官庁、自治体、ジャーナリズムをはじめ、幅広い分野で活躍しています。法曹(裁判官・検察官・弁護士)を目指す方には、各大学の法科大学院への進学のほか、2020年度に開設された法曹養成プログラムから本学法科大学院に進学するルートも開かれています。法律学・政治学の専門的な研究者を目指す方は、定評ある本学の研究者養成大学院へ進学することも可能です。
皆さんの積極的な挑戦を期待します。
専攻長挨拶

東京都立大学大学院 法学政治学研究科
法学政治学専攻長
東京都立大学 法学部法学科長
尾崎 悠一
Ozaki Yuichi
法学政治学研究科法学政治学専攻は、高度な学識を備えた研究者を養成する機関として、大学・研究機関や関連諸学会において活躍する法学研究者・政治学研究者を数多く輩出してきました。また、本専攻は、高度な知識を有する専門的職業人・公務員を志す人材の育成にも取り組んでおり、各領域の最前線で法律学・政治学の知見を活かして活躍する実務家も着実に輩出しています。さらに、海外から留学生を積極的に受け入れ、本専攻修了後に本国で研究者や公務員として活躍している人材も送り出しています。
本専攻は、「一人一人を徹底的に鍛える教育」を伝統とし、学界をリードする優秀な教員が高度化・多様化した専門分野に応じて開講する演習形式の少人数授業と、分野に所属する全教員と全大学院生が参加する研究会方式の「法律学総合演習」(法律学分野)・「政治学総合演習」(政治学分野)がその根幹をなします。大学院生は、指導教員による個別の研究指導を受けるのみならず、総合演習で学位論文の構想等を報告することにより幅広い視点から助言を受けることができます。さらに、教員も研究報告を行う総合演習では、さまざまな専門分野の最先端の研究に触れ、多様な研究手法や研究姿勢についても学ぶことができます。
本専攻が所在する南大沢キャンパスは豊かな緑に囲まれ、分野ごとに設けられた院生研究室では博士前期課程の学生も含めて個席が与えられており、落ち着いて研究に打ち込むことができる環境が整備されています。また、早くから10月入学を導入するなど、多様な学生の受け入れに努めてきました。
変化の速い現代社会において、法律学・政治学の知見を必要とする未解明・未解決の課題はたくさんあります。既存の知識や理論を活用するだけでは対応できない複雑化した法的・政治的な課題に対して柔軟な思考力や高度の専門性を用いて理論的に探究することや法律学・政治学の高度の専門能力を活かして社会に山積する課題を実践的に解決することに関心を寄せる皆さんが、ひとりでも多く本専攻の門を叩いてくださることを教員一同心から願っています。また、そのような皆さんとともに学問を追究することを楽しみにしております。